落語協会と落語芸術協会の違いとは?4つの所属団体を解説

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落語協会と落語芸術協会の違いとは?4つの所属団体を解説

落語に興味を持ち始めると、出演者のプロフィールなどで「落語協会所属」「落語芸術協会所属」という言葉を目にします。
名前がよく似ているため、「同じ団体の別名なの?」「どちらかが上部組織なの?」と戸惑う人もいるのではないでしょうか。

落語協会と落語芸術協会は、それぞれ別の団体です。
しかも東京には、この2団体以外にも五代目圓楽一門会と落語立川流があります。
本記事では、東京の落語界にある4団体の全体像を整理したうえで、出演できる寄席や真打への昇進基準など、初心者にもわかりやすい違いを解説します。

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東京の落語家が所属する主な4つの団体

東京の落語家が所属する主な団体は、落語協会、落語芸術協会、五代目圓楽一門会、落語立川流の4つです。
まずはこの4団体を並列に捉えると、東京の落語界の全体像をつかみやすくなるでしょう。

このうち、東京の落語界で最大勢力となっている2団体が落語協会と落語芸術協会。
両者は名前こそ似ていますが、同じ組織ではありません。
所属する落語家も異なり、東京の定席への出演範囲にも違いがあります。
また、所属人数は落語協会のほうが落語芸術協会より多くなっています。

残る2団体が、五代目三遊亭圓楽を中心とする団体を母体とした五代目圓楽一門会と、立川談志が設立した落語立川流です。
4団体は一見すると同じように見えるかもしれませんが、成り立ちや定席への出演、真打への昇進の考え方にはそれぞれ特色があります。

初心者が最初に押さえておきたいのは、「東京の落語家をひとまとめにした一つの協会があるわけではない」という点。
団体名は単なる肩書ではなく、寄席への出演範囲や昇進の仕組みを知る手がかりにもなります。

落語協会とは

落語協会は、落語芸術協会と並ぶ東京の落語界の二大勢力の一つです。
会長は春風亭昇太。
所属人数は落語芸術協会より多く、比較的大きな規模を持つ団体です。

落語協会の大きな特徴として覚えておきたいのが、東京にある定席4館のすべてに所属落語家が出演できること。
4館とは、新宿末広亭、鈴本演芸場、浅草演芸ホール、池袋演芸場を指します。

したがって、これらの寄席で落語を見ていると、落語協会に所属する落語家に出会う機会があります。
とりわけ鈴本演芸場に出演できるかどうかは、落語協会と落語芸術協会の違いを理解するうえで重要なポイントです。

ただし、「出演できる」という表現は、所属する全員が常に4館へ出ているという意味ではありません。
ここで押さえたいのは、団体による出演範囲として4館すべてが含まれている、ということ。
団体の違いを整理するときは、まずこの範囲に注目するとわかりやすいでしょう。

落語芸術協会とは

落語芸術協会も、東京の落語界を代表する二大勢力の一つです。
代表者は三遊亭小遊三。
落語協会とは別に活動しており、独自の歴史を歩んできました。

その始まりは1930年(昭和5年)。
当初は「日本芸術協会」という名称で発足しました。
その後、1977年(昭和52年)に社団法人の認可を受けた際に「落語芸術協会」へ改称。
さらに2011年(平成23年)には、公益社団法人の認可を受けています。

落語芸術協会に所属する落語家は、東京の定席4館のうち、鈴本演芸場には出演できません。
ここが、鈴本演芸場を含む4館すべてに出演できる落語協会との、もっとも見分けやすい違いです。

名前に「協会」が付く点や、東京の二大勢力である点は共通していますが、両者を同じ団体として扱うことはできません。
落語会の出演者紹介などに所属団体が記されていたら、「落語協会」なのか「落語芸術協会」なのかを確認してみると、少しずつ違いが見えてくるでしょう。

落語協会と落語芸術協会、どこが違う?

所属する落語家と代表者が異なる

落語協会と落語芸術協会は、どちらも東京の落語界における大きな団体ですが、所属する落語家が異なる別組織です。
落語協会の会長は春風亭昇太、落語芸術協会の代表者は三遊亭小遊三となっています。

規模については、落語協会のほうが落語芸術協会より所属人数が多いという違いもあります。
ただし、初心者が両団体を理解する際に、具体的な人数まで覚える必要はありません。
「東京の二大勢力であり、そのなかでは落語協会の所属人数がより多い」と押さえておけば十分です。

出演できる定席の範囲が異なる

両団体の違いがもっとも具体的に表れるのは、東京の定席への出演範囲です。
落語協会に所属する落語家は、新宿末広亭、鈴本演芸場、浅草演芸ホール、池袋演芸場のすべてに出演できます。

対して、落語芸術協会の所属落語家は、鈴本演芸場には出演できません。
つまり、鈴本演芸場への出演可否が、両協会を比較する際の明確な相違点になります。

「落語協会は鈴本演芸場に出演でき、落語芸術協会は出演できない」と覚えると簡単です。
名前の似た二つの協会を区別できなくなったときは、この違いに立ち戻ってみてください。

真打昇進の考え方にも違いがある

真打への昇進基準も同じではありません。
落語芸術協会は年功序列。
落語協会も年功序列が慣例ですが、実力や人気があれば、年数が短くても真打へ昇進する場合があります。
後者が「抜擢真打」です。

寄席への出演範囲だけでなく、昇進の仕組みにも団体ごとの違いがあるわけです。
落語家の所属団体を知っておくと、その人が置かれている仕組みや、昇進に関する話題も理解しやすくなるでしょう。

五代目圓楽一門会とは

五代目圓楽一門会は、1980年に五代目三遊亭圓楽が一門とともに設立した団体を母体としています。
発足時の名称は「大日本すみれ会」。
その後、1985年に「落語円楽堂」、1990年に「圓楽一門会」へと改称しました。

五代目圓楽一門会に所属する落語家は、新宿末広亭、鈴本演芸場、浅草演芸ホール、池袋演芸場という東京の定席には出演できません。
そのため、公演の場となるのは一般のイベントホールなどです。

ここは、落語協会や落語芸術協会との大きな違い。
東京で活動する落語家であっても、所属団体によって、定席への出演範囲は大きく変わります。
「定席に出演しないこと」と「公演を行わないこと」は同じではなく、一般のイベントホールなどが活動の場になると理解しておきましょう。

真打への昇進は、年功序列が慣例となっています。
ただし、実力や人気が認められれば、年数が短くても昇進する場合があり、落語協会と同じく「抜擢真打」があり得る団体です。

落語立川流とは

落語立川流は、1983年に立川談志が大半の弟子とともに落語協会を脱会し、設立した団体です。
東京の主要4団体の一つですが、ほかの団体とは異なる独自の仕組みを持っています。

月謝を取る家元制度が特徴

落語立川流の特徴は、茶道や華道と同じように、弟子から月謝を取る「家元制度」です。
この言葉を初めて聞くと難しく感じるかもしれませんが、まずは月謝を伴う独自の制度を採用している、と覚えておけばよいでしょう。

定席への出演については、五代目圓楽一門会と共通しています。
立川流に所属する落語家も、東京の定席には出演できません。
一般のイベントホールなどで公演を行います。

また、真打への昇進では入門順を考慮しない、独自の実力・能力主義を採用。
年功序列を基本とするほかの3団体とは、考え方が明確に異なります。
このため立川流には、「抜擢真打」という概念自体が存在しません。

真打への昇進基準も団体によって違う

4団体を比較するうえで、定席への出演とともに注目したいのが真打への昇進基準です。
どの団体でもまったく同じ方法で昇進が決まるわけではありません。

落語芸術協会は年功序列です。
落語協会と五代目圓楽一門会も、年功序列が慣例。
ただし、この2団体では実力や人気があれば、年数が短くても先に真打へ昇進する場合があります。
これが「抜擢真打」と呼ばれる昇進です。

一方、落語立川流は入門順を考慮しない実力・能力主義。
そもそも入門順を基準にした年功序列から特別に早く昇進させる仕組みではないため、「抜擢真打」という概念がありません。

つまり、「実力で早く昇進する」という部分だけを見て、落語協会などの抜擢真打と立川流の昇進を同じものだと考えるのは正確ではありません。
前提となる昇進基準そのものが異なるからです。
真打昇進のニュースや話題に触れたときは、まず所属団体を確認すると背景を読み取りやすくなります。

落語家の所属団体に関するよくある質問

落語協会と落語芸術協会は同じ団体ですか?

いいえ、別の団体です。
どちらも東京の落語界における最大勢力の2団体ですが、所属する落語家や代表者、出演できる定席の範囲、真打への昇進基準などが異なります。

東京の定席4館とはどこですか?

新宿末広亭、鈴本演芸場、浅草演芸ホール、池袋演芸場の4館です。
落語協会の所属落語家は4館すべてに出演できますが、落語芸術協会の所属落語家は鈴本演芸場には出演できません。

五代目圓楽一門会と落語立川流の落語家はどこで公演しますか?

両団体の所属落語家は東京の定席には出演できず、一般のイベントホールなどで公演を行います。
東京の落語家が出演する場所は、定席だけではありません。

抜擢真打とは何ですか?

年功序列が慣例となっているなかで、実力や人気によって、年数が短くても真打へ昇進することです。
落語協会と五代目圓楽一門会では抜擢真打があり得ます。
落語立川流は入門順を考慮しない実力・能力主義なので、抜擢真打という概念自体がありません。

まとめ

東京の落語家が所属する主な団体は、落語協会、落語芸術協会、五代目圓楽一門会、落語立川流の4つ。
そのなかで、落語協会と落語芸術協会が東京の落語界における二大勢力です。

落語協会の所属落語家は東京の定席4館すべてに出演できますが、落語芸術協会の所属落語家は鈴本演芸場には出演できません。
五代目圓楽一門会と落語立川流は定席には出演せず、一般のイベントホールなどで公演を行う点も重要です。

さらに、年功序列、抜擢真打、立川流独自の実力・能力主義など、真打への道筋も団体によって異なります。
最初からすべてを覚えようとせず、気になる落語家を見つけたら所属団体を確認してみてください。
団体と寄席、昇進制度の関係が少しずつつながり、東京の落語界をより立体的に楽しめるようになるでしょう。

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はじめまして。
落語ガイド「デバヤシ!」を運営しています。

もともと歌舞伎をはじめとする日本の伝統芸能が好きで、舞台を観たり、演目について調べたりすることを楽しんできました。

そんな中で改めて感じたのが、

「落語って、知れば知るほど面白い。でも、初めての人には意外と分からないことも多い」

ということです。

有名な演目の名前は聞いたことがあっても、

「どんな噺なの?」
「最初に聴くなら何がおすすめ?」
「寄席って初めてでも行っていいの?」
「落語家さんによって何が違うの?」

など、興味を持ったばかりの頃には分からないことがたくさんあります。

そこで作ったのが「デバヤシ!」です。

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